#reads バーバラ・クーニーの美しい絵本

#reads バーバラ・クーニーの美しい絵本

子どもが、ポケットに石ころや紙切れを大事に持ち帰ってくるように、子どもたちは日々、言葉や光景をイメージの宝箱に集めています。想像力とは、イメージを頭の中で形成する能力なのです。

DRESS UP BOX #READS は、子どもたちの感性を磨き、豊かな想像力の源となる美しく上質な絵本を紹介するコーナーです。


母親になることで得る喜びの一つに、絵本と再会があります。小さい時に読んだ絵本も、新たに知った絵本も、美しく上質な本を手にとるたびに、この物語が、この言葉が、この絵が、子どもたちの感性を磨くのだとワクワク、ゾクゾクしてしまいます

バーバラ・クーニーの絵本との出会いは、図書館で彼女が挿絵を手がけた、Donald Hall作「Ox-cart Man/にぐるまをひいて」でした。幼稚園の年長だった長女がいたく気に入り何度も借りた本でした。のちに旅先の本屋さんでペーパーバックの原作も購入しました。

同じ年に、子どもに英語を教えてくれていた先生がレッスンの終わりに「Miss Rumphium/ ルピナスさん」を読み聞かせしてくれたことがありました。横で聞いていた私はこの絵本に一目惚れし、よくよく調べたら、図書館で以前借りて好きだった「EMILY/エミリー」も「ろばの王子」も「Ox-cart Man/にぐるまをひいて」もクーニーが挿絵を手がけたものだったことに気づきました。

クーニーの世界を語ろうとする時に、一番はじめに思い浮かぶのは「原風景」という言葉です。彼女の描く静穏で、優しい風景は、いつもどこか懐かしく、美しい子ども時代の断片のような輝きを持っています。

娘が大好きな「Ox-cart Man/にぐるまをひいて」は19世紀のニューイングランドに住む農家一家の一年の営みを描いた物語です。私の夫の出身地は米ニューイングランドのバーモント州という、秋には楓の紅葉が山々を見事に染め上げ、冬は長く雪深い場所です。「Ox-cart Man/にぐるまをひいて」という絵本の中に、おじいちゃんとおばあちゃんの住む彼女のもう一つの故郷ニューエングランドの風景と、物語の中の四季を感じとってくれたのかなと、嬉しかった思い出深い一冊です。

そして「ルピナスさん」の中でミス・ランフィアスが撒く、白、青、紫やピンクのルピナスの花も義母の好きな花。大自然に身をゆだねるように静かに暮らす義母とルピナスさんが重なり、この絵本の美しいページが子どもたちの原風景になってほしいと絵本を開くたびに思います。 

 
Miss Rumphius
Text and Illustrations by Barbra Cooney 
 ルピナスさん
作・絵:バーバラ・クーニー、訳: 掛川 恭子












全米図書賞(National Book Award)の受賞作であるこの絵本は、語り手の叔母であるミス・ランフィアスの生涯を描いた物語です。ミス・ランフィアスが幼いころにお祖父さんと交わした約束「世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらいたい」を果たすために彼女がしたことは?


Emily 
Text by Michael Bedard, Illustration by Barbra Cooney
エミリー 
文:マイケル ビダード、絵:バーバラ クーニー、訳:掛川 恭子 




大きな黄色い家にひきこもってくらしている「なぞの女性」と少女の架空の出会いを描いた作品。19世紀アメリカの詩人、エミリー・ディキンソンをモデルに、詩人の幽寂でなぞめいた内なる世界を、美しい言葉とクーニーの繊細な絵が紡ぎ出す一冊です。

ロバの王子 
作:グリム童話、絵:バーバラ・クーニー、訳:もきかずこ

王と王妃の間に生まれたのは醜いロバの姿の王子。親からも蔑まされ城を後にした王子の幸せへの旅を描いた絵本。クーニーの挿絵の美しさが際立つグリム童話です。

Ox-cart Man
Text by Donald Hall, Illustration by Barbara Cooney
にぐるま ひいて 
作:ドナルド・ホール、絵:バーバラ・クーニー、訳:もきかずこ



19世紀アメリカのニューイングランド地方の農村に住むある家族の一年の営みを描いた本。現代に住む私たちに、めぐりゆく自然のサイクルと共存して暮らす喜びを教えてくれる一冊。

Eleanor
Text and Illustrations by Barbra Cooney 
おちびのネル ーファーストレディになった女の子
作・絵:バーバラ・クーニー、訳: 掛川 恭子



のちにアメリカの大統領フランクリン・ルーズベルトの妻、そして人権活動家として偉業を果たした、エレノア・ルーズベルトの生い立ちをたどった伝記絵本。孤独な少女時代を送ったエレノアが、留学先の女学校で出会った恩師との出会いにより自分の人生を力強く歩き始める半生が、
クーニーの美しい挿絵で浮かび上がります。

読み聞かせをつうじてたくさんの親子が共に空想し、心を通いあわせ、豊かな感性を育むことを願って。


Older Post Newer Post